樹木の再生とは、傷んだ古木にその若い枝や根を接木したりして元気を失った樹木の勢いを再生しようという樹木に対する医療行為のようなものから始まり、シチュエーションによってさまざまなパターンがあります。

その対象となるのはすべての古い木ではなく、なにか特別な樹木、公園のシンボルツリーであるとか、なにかの記念樹であるとか、そういった特別に、この木は枯らしてはいけないという樹木に対して行います。

樹木の寿命といのは長いのと短いのがあって、比較的短いのが桜です。桜の場合、50年から60年くらいで再生の必要な古木になってしまいます。寿命が長いほうなのは、けやき、樫、くすのき、イチョウなどで300年くらいは大丈夫です。

こうした古木ですと、樹木の中心部、心材は死んだ組織です。その死んだ心材を生きている周辺の部分、辺材がかこってるわけです。この辺材をいかして樹木の再生をおこないます。また侵食が根に及ぶと根の医療も大切になってきます。これは新しい根をださせてあげて、その根から栄養をすいあげるようにすることです。

このように樹木の再生といってもさまざまなパターンがあります。
これをみわけて適切な処理をほどこすのが樹木医というわけです。

樹木医という制度は15年前にできました。日本緑化センターというところの免許です。
私の場合は、以前害虫の駆除の農薬の専門家から樹木医になりました。現在で日本中に1500人程度います。

著:樹木医 神田多

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